累積支出の比較
最終年で見くらべる
この図が答えるのは「どちらが得か」ではない
持ち家と賃貸のどちらが有利かは、金利・物件価格・家賃・修繕費・住む年数・そのあと売れるかどうかで反転します。ひとつの前提でどちらかに軍配が上がっても、それは前提の勝ちであって住まい方の勝ちではありません。だからこのページは結論を出さず、入力を変えると交わる年がどう動くかを見る道具にしてあります。
初期値(物件価格35,000,000円・頭金5,000,000円・借入30,000,000円を金利1.2%で35年、家賃130,000円+共益費8,000円)で計算すると、累積支出が入れ替わるのは27.9年目です。ここで家賃だけを「毎年1%上がる」に変えると、入れ替わりは17.6年目に動きます。前提をひとつ動かすだけで答えが変わる、というのがこの試算のいちばん確かな結論です。
初期費用は0年目に、まとめて出ていく
図の左端がゼロから始まっていないのは、住みはじめる前に出ていくお金があるからです。持ち家は頭金と諸費用(登記費用・仲介手数料・印紙税・ローン事務手数料など)、賃貸は敷金・礼金・仲介手数料・火災保険。この段差は年月では埋まらないので、短い年数で見るほど効いてきます。逆に長く住むほど、月々の積み上がりのほうが大きくなって段差は目立たなくなります。
初期値のローンは、毎月の返済が87,511円、35年で払う利息の合計が6,754,488円です。金利をわずかに動かすだけでこの数字は大きく変わるので、返済の内訳そのものを追いたい場合はローンシミュレーターのほうが向いています。
ローンが終わっても、費用は0にならない
持ち家の線は、返済が終わる年に傾きが急に緩みます。ただし水平にはなりません。固定資産税・都市計画税、マンションなら管理費と修繕積立金、一戸建てなら屋根や外壁の修繕費、そして火災保険が続くからです。この「完済後も残る傾き」を0にして計算すると、持ち家がいつまでも有利に見える図が簡単に作れてしまいます。初期値では完済後も年間450,000円かかる置き方にしています。
UR賃貸と公営住宅は、費用の形が違う
UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料がかかりません。初期費用が敷金だけで済み、2年ごとの更新料も乗らないため、同じ家賃なら一般の賃貸より線はゆるやかに伸びます。かわりに家賃そのものは物件ごとに決まっていて、値引き交渉の余地はありません。募集している住戸や条件は時期によって変わるので、UR都市機構の公式情報を確認してください。
公営住宅は、家賃が世帯の収入に応じて決まる仕組みです。相場から見積もれるものではないので、このページでは案内された金額をそのまま入れてもらう形にしています。入居には収入などの条件があり、募集の時期・方法・倍率も自治体によって異なります。こちらもお住まいの自治体の公式情報でご確認ください。
売却を織り込むと、話は変わる(が、確実ではない)
持ち家には、住み終わったあとに売るという選択肢があります。売却時の想定価格を入れると、最終年の累積からその額を差し引いた「実質の累積」も出るようにしてあります。ただしこれは、その金額で確実に売れる場合の話です。売れるまでの時間、仲介手数料や譲渡にかかる税、建物の傷み、周辺の状況は織り込んでいません。ここを強気に置くだけで持ち家側の線はいくらでも下がるので、比べるときは0のままの図と見くらべてください。
この試算に入れていないもの
第一に、住宅ローン控除をはじめとする制度による軽減を一切含めていません。適用の条件や控除の額は改正が多く、確認の取れない数字を書かないという方針のためです。実際にはこのぶん持ち家側の負担が軽くなる場合があります。第二に、金利は全期間そのままとしています。変動金利を選んだ場合の上昇は見込んでいません。第三に、修繕費は年あたりに均した額で置いており、実際にはまとまった年に集中します。第四に、家賃の上昇率も一定としています。第五に、引っ越しの費用、住み替えのしやすさ、団体信用生命保険の保障といった、お金以外の差は扱っていません。第六に、賃貸の敷金が退去時に一部返ることは見込んでいません。
このページは外部の統計や「平均的な物件価格・平均家賃」といった数字を出典として使っていません。図に出るのは、すべてあなたが入力した条件だけによる計算結果です。実際の契約や借入の判断は、金融機関や不動産会社の資料をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。
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返済の推移と、そのとき自分が何歳かまで追うならローンシミュレーター。住居費を含めた家計全体を組み立てるなら生活費のことならが使えます。